神楽坂で2011年にスコティッユパブ「ザ・ロイヤルスコッツマン」を開業しながら、2021年より無農薬農業を始め、食を通じての体験や考えをまとめたブログです。食育インストラクターでもありオーガニックの普及に努める。国内では珍しいスコットランドの民族楽器バグパイプ奏者で全国のビールやウイスキーのイベントでの演奏も行っています

アップルジンジャージャム


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生姜の収穫が終わったと思ったら、今度はその生姜を使ってジャム作りの日々です。前回、生姜を加工品にする際に、そのいびつな形と土のせいで洗浄に時間がかかるため嫌われていると書きましたが、その洗浄作業をここ数日毎日行っていましたが、「確かに・・・これは嫌われる!」そう思わざるを得ない状況でした。

シンクに水をためて大まかに土を落とし、水を入れ変えて再度シンクの中で土を落とす。また水を入れ替えてブラシで一つひとつ土を落としながら洗う。今度は流水に当てながらブラシで一つひとつ洗う、シンクに水をためてゴロゴロと全体的に洗うのを3回。そして今度は包丁を片手に必要ない部分などをそぎ落とし、ついでに土が残っていないかを一つ一つ確認。洗浄だけに物凄く時間がかかり、さらに土が残らないようにと神経質にもなります。

リンゴの変色

リンゴのジャムは、まず見た目でちょっと茶色系のものと赤色系のものがあります。リンゴは赤のイメージなのでやはりジャムも赤色(薄ピンク)をしていると奇麗ですし、イメージも付きやすいです。身が赤色のリンゴがるのでそれを使えば赤色になりますが、そうでは無きほとんどのリンゴは白です。

この変色はリンゴの中に含まれているポリフェノールが空気に触れて参加をすることが原因です。この変色を防ぐのに塩水などに浸けると昔から言われています。それ以外の方法だとレモン水や砂糖水に浸ける方法です。

一番効果的なのはカットしたリンゴを、ジャム作りに必要なレモンを使い果汁を絞って先に混ぜておくということが変色を防ぐのには良いと思います。さらに火を入れる時間を短くして歯応えの残るジャムに仕上げることです。

リンゴの色素とペクチンを取り出す

ペクチン

ジャムを作るときによく聞くこの「ペクチン」。このペクチンの影響でとろりとしたジャムが出来上がります。簡単にジャムとペクチンの関係をおさらいします。

ペクチンというものは果物や野菜に含まれている成分の1つです。どのような状態で存在をしているかというと、網の目のようにペクチン同士が繋がっていて、その隙間に水分を抱えこみ果物や野菜の細胞膜を作っています。しかし加熱すると、この繋がっていた状態が切れてしまいます。この切れるという現象によって果物や野菜に含まれる水分にペクチンが溶け出し、煮崩れるという現象になっていきます。

この状態だと、ただに崩れただけでジャムのようなとろみがあり濃度のある状態ではありません。過熱をすることで一度溶けだしたペクチンは、煮つめるという工程でペクチンの周りにある水分を減らすことによって、再び網目状に繋がっていきます。ここに砂糖が加わることで「糖分による保水性」という現象が起こります。この「糖分の保水性」というものは「砂糖は水になじむ性質が高い」という性質に由来するもので、ペクチンの周りにある水分を砂糖に引きつけます。このため水分を十分に減らさなくてもペクチン同士が再び繋がることができます。よって、水分を十分に保ったままの、あのとろりとしたジャムになります。大切なことがもう一つあって酸性であることです。



これがジャムがとろりとする科学的な内容です。

リンゴのペクチン

ジャム作りにペクチンが必要なことが分かりました。そして果物や野菜にペクチンが含まれているということも分かりました。ジャムにする場合は皮を剥いた状態での使用が多いのですが、リンゴのペクチンはこの向いた皮、「皮と実の間に多く含まれている」です。さらにジャムにする際だけでなく、食べる際にも切り取る「芯」の部分にもペクチンはあります。なので、この皮と芯、レモン、砂糖、水を鍋に入れて煮込んで裏ごしすればペクチンを取り出すことができます。

僕はリンゴの色素を先に取りだし、全ての材料を煮こむときにゲル化をさせています。あの赤い色を活かすことができるように白いグラニュー糖を使うのが一番なのですが、個人的に「てんさい糖」や「きび糖」など茶色い砂糖の優しい甘さが好きなので使うのですが、せっかく赤い色素をとっても茶色に砂糖で茶色に仕上がってしまいます(笑)

皮・芯を見込む

しっかり煮込んで裏ごし

赤い色素を取る

家庭でもジャムは簡単に作れます

果物、砂糖、この2うの材料があれば基本的にジャムは作れてしまいます。鍋に入れて火にかけ、焦げないように煮詰めれば自然にとろみがついてジャムになります。果物に酸が含まれていることが大前提で、果物によって酸の度合いは違います。なのでレモンを入れて酸を補います。レモンではなくリンゴも酸を多く含む果物なので代用として使うことができます。

ジャムは保存性にも優れている

アップルジンジャージャムを煮こむ前段階

ちょっと前に「糖質の保水性」を書いてますが、砂糖は水をつかんで離さないという性質があります。果物や野菜が傷んだり腐敗をするのは水分と微生物が原因です。微生物が活動するのには水分が必要です。しかし砂糖が水分を取り込んでしまうことで微生物にとって必要な水分を奪ってしまいます。つまり微生物が活動(痛みや腐敗)出来ない状態になります。この作用によりジャムは生のフルーツよりも保存性が優れています。昔の人たちはこのことを知っていて季節の果物をジャムにして長く楽しんでいました。

ジャムについてはブログ内でも書いていますので、ぜひ読んでみてください。

キッチン男子:生姜ジャム

まとめ

煮だした赤い水分でミキサーした生姜と材料

生姜を専門的に栽培をして初収穫をしました。なので生姜を使うジャムの種類を増やしていこうと考えています。現在、スタンダードな生姜ジャム(オリジナル)、今回のアップルジンジャー、先日は柿とスパイスを使ったジャムを数量限定で作りました。

生姜はなかなかメインにはならない食材ですが、イギリスとの関係性は非常に深く、スコッツマンというお店にとっても相性が良い食材です。栄養面からみても免疫を高める効果もたかく、冷え性やダイエットにも良い効果があります。毎日少しずつ無理なく摂取できることが一番の理想なので、生姜を含んだお菓子やジャム、料理などを自分が育てた生姜を使って作り、提供をするという一貫性も非常に楽しく思っています。色々と考えて試作をして商品化していきます。今、構想中のジャムは「ラムレーズン入りミルクジンジャージャム」です。

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