神楽坂で2011年にスコティッユパブ「ザ・ロイヤルスコッツマン」を開業しながら、2021年より無農薬農業を始め、食を通じての体験や考えをまとめたブログです。食育インストラクターでもありオーガニックの普及に努める。国内では珍しいスコットランドの民族楽器バグパイプ奏者で全国のビールやウイスキーのイベントでの演奏も行っています

2022年の生姜栽培直前のこと


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畑を拡張が定植前に上手く決まらず、今期は新しい畑の拡張や土づくりに専念をしようと思っていました。新しい畑が決まったら全ての農機具を引っ越ししないといけないなどのこともあったし、昨年の畑は1年間だけ借りるということ前提で進めていたので、収穫が終わった後は、来年は大きな畑でと計画をしていたので、借りた畑にはもみ殻ぼかしを入れたりせずにしていました。

しかし、なかなか新しい畑も決まらないなか定植にも入ってくる4月ごろになると、昨年収穫をした生姜の配送の連絡が来ました。定植は出来ないから加工しようと思い、加工業者さんに電話をしたり、メールをしたりしながらパウダーでもシロップでもない、他の加工品を考えている最中、急に昨年と同じ畑を借りることができるようになりました。

2021年集荷をした生姜

2021年に初収穫をした生姜

2021年に初めて農業を始め、化学肥料を使わずに栽培をするのが非常に難しい生姜を選び、2月中旬から東京と栃木を週に最低2回は行き来をしながら朝から午後15:00くらいまでは畑、18:00くらいには店に戻って深夜まで仕事。このようなスケジュールを9カ月やって、初めてにしては1株が1kgオーバーの生姜がほとんどで、1.5kg、1.7kg、2kgオーバーというものも多く収穫をすることができました。収穫を終え14℃に設定をされている倉庫に送り、次回(2022年)の体よくまで保管をしていました。

最初に説明をした通り、今期は畑の拡張が上手く行かなかったのと、以前の畑は1年だけという条件だったことで定植をあきらめて加工をする段取りを組んでいました。しかし、4月24日(日)に実家宛てに収穫をした生姜が届いたこと、昨年と同じ畑を今年も借りることができたことが重なり、急遽ですが、昨年と同じ重量を定植をすることにしてしたので、届いた生姜を翌日の定休日26日(月)に確認をしに行きました。

2021年11月の初収穫後
2022年4月25日 保管をして届いた生姜

自分で初めて育て収穫をした生姜を植えることのできる喜びというか楽しみでワクワクしながら、届いた生姜のある小屋に向かいました。収穫をした生姜は配送前のときと同じような景色で小屋の前にケースで積まれていました。

生姜の思わぬ状態

ケースに近づいたときに、ふと思いました。

あれっ?袋がセロテープで留められ表面に水滴が付いてるぞ!!

直感で嫌な気がしました。直ぐに袋の中の確認をしたところ、目の前には収穫時の元気な生姜の姿はありませんでした。全ケースを早く確かめないと行けないので、直ぐに確認仕分け作業に移りました。

水がたまるほど腐敗をした生姜
乾燥とカビが生じた生姜

写真のようなものばかりではありません。ケースによっては種になるものも存在をしています。なので、1ケースごと全て目で見て手で触って確認をしながらの選別になりますが、基本的に腐敗やカビが発生しているケースの中に種になるような生姜は無く、その様な生姜はケース単位であるようでした。つまりケースごとに状態がバラバラということです。使えるものは使えて、使えないものは使えないという有り様でした。



このような状況は思いもしませんでしたが、このことであることを思いました。

何で全部が同じ症状ではなくケース単位でバラバラなんだ!?

生姜の保存に関して

収穫時の様子

生姜は温度や湿度の管理が難しい作物です。一般的には13~15℃で湿度は90%と言われます。これを維持しないといけないわけです。家庭で保存するならキッチンペーパーや新聞紙にくるむとか、水に付けて保存するとかありますが、何百kgとなるとそうは行きません。土の中に埋めるというのも一つの保存方法です。

生姜を専門的に作り種として販売をしている農家さんでは、専用の冷蔵庫を設置して保管をしています。生姜はガスの発生もあり、そのガスが悪影響を及ぼすため冷蔵庫の中にガスがたまらないように空気を循環させる仕様になっています。設備にもお金をかけて翌年の種として保存ができるように日々管理をしています。

今回は同時期に生姜を作り始めた仲間と倉庫を借りました。温度は14℃ほどで管理されている倉庫です。ただ、湿度に関しては一定ではりません。メッシュ式のケースに通常のビニール袋よりガスを通す特別なビニール袋を入れ、その中に生姜を入れて、口は閉じないで配送をしました。それが11月中旬くらいです。それから5カ月、状況は大きく課w理ました。しかし、仲間の生姜は無事な方多いという現状でした。全部が全部、種として使えるわけではなく8割ほどは可能とかいう状態です。しかし、僕の生姜はほぼ全滅という状態です。

保存の場所が僕のケースは全て倉庫の奥の方で、途中で状態を見ることも出来ない場所だったそうです。倉庫内で言えば、これは非常に大きな点です。ただ、これだけが原因ではないと考えています。

  • 乾燥が足らない
  • 収穫時に虫が付いていた
  • 切り落とした茎が乾燥されてなかった
  • 収穫してから気温が下がり冷えてしまった

様々な原因がありますが、基本的なことが原因になっているのではないかと思います。それらが少しずつ、少しずつ影響をして、今回のような状況になってしまったことが考えられます。

農業の難しさを知り、学ぶことの大切さ

失敗から得る何か

今回は失敗ではなく「勉強」と僕は捉えています。そしてこの経験があったからこそ、収穫における体制づくりを考えることができました。あの、エジソンが「私は失敗したことがない。ただ、1万通りの、うまく行かない方法を見つけただけだ。」という名言を残していますが、僕はこの考え方が昔から非常に好きです。

僕は料理をやっていたときに先輩から「手先が器用で何でもできる」と言われたことがあります。何かを言われた時にパッと出来たときに言われました。しかし先輩は1つ見落としています。僕が誰よりも早く朝に調理場に入り自分のい事を早く終わらせて先輩方の下処理の仕事を自分からもらいに行き、何かあるごとに質問をしてはメモをしていたこと。それを4畳半の小さなアパートの部屋で試していたこと。1度だけでなく何度も何度も自分が理解できるまで。僕はそれほど手先は器用では無いので、回数をこなして覚えさせるということをします。なので、何かあったときのために「出来る状態にしておく」ということを心がけていました。一番下っ端だったからこそ、出来れば勝ちという現場主義を勝ち取る手段はこれしかないと思っていました。

あぁ、ダメだったな。じゃぁ、もう1回やってみよう!

ただただ、この気持ちを維持して繰り返し、完成形に近づける道を進むのに、反してしまう道を一つひとつ消していくということです。遠回りかもしれないけど僕には一番ピッタリな勉強の仕方です。

失敗とか困難と言われるものは誰が決めるわけでもなく、自分が決めます。超ポジティブ思考です。原因などをしっかり考えます。何かしら理由があるからです。そして探ります。ノートに書いたりして書き留めます。僕はこれをブログやSNSでやることがあります。書くということで改めて調べたりまとめたりすることができるからです。そして、人に言います。自分で考えたたことを、自分の頭で組み立てて、自分の口で言葉にします。先輩だったり、仲間に合って直接言ったり、やはりブログやSNSを使って行うこともあります。前の書き留めるとためにブログやSNSを使うのと何が違うかと言うと自分の中だけに問題を止めておかないということと、同じ状況にある人やこれから経験をするかもしれない人との問題の共有です。

  • 時間を作って考える
  • それを書き留めたりして洗い出しをする
  • 人に言う、共有する

大なり小なり困難みたいな経験はあるけど、そこで止めておかない。そしてチャレンジするから経験が出来ることと思い、あえて面倒なことを繰り返します。そして、このときに大切なことがあることを三國シェフに教えてもらいました。

「失敗をしても勉強になるから良い」なんてと思ってやってたら、いつまで経っても成長なんてしないチャンスが来たら出来るようにしておく、その努力を続けなさい。

農業に対する考えも、料理のときと一切変わりません。これまで食材を育て作ってくれていた農家さんの有難さを、今まで以上に感じるようになりました。農家さんの大変な作業も理解ができるようになりました。ここ最近は、収穫前に盗まれたり、自然災害で作物が収穫できないというニュースを聞きますが、そのときの育てたものを失う農家さんの気持ちを状況は違えど感じることも出来ました。

今年は限られた状況のなかで、昨年の経験を活かして昨年を超えることができるような生姜づくりをします。

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