神楽坂で2011年にスコティッユパブ「ザ・ロイヤルスコッツマン」を開業しながら、2021年より無農薬農業を始め、食を通じての体験や考えをまとめたブログです。食育インストラクターでもありオーガニックの普及に努める。国内では珍しいスコットランドの民族楽器バグパイプ奏者で全国のビールやウイスキーのイベントでの演奏も行っています

サンショウビア(山椒ビア)

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ジンジャーエールを緊急事態宣言下で初めて作りました。自分で生姜を定植しているということもあり色々と調べていました。ジンジャーエールの歴史や背景。そしてジンジャーエールの元になったジンジャービア。イギリスの伝統菓子ジンジャーケーキなど。生姜で料理を楽しんでいました。

しかし、ジンジャーエールばかりだと思いレパートリーを考えていたときにジンジャーエールの材料でもある「生姜のポジション」を食物という立ち位置で考えたところ「薬味」ということに気が付きました。確かにジンジャーエール時代も医師が開発しただけあり薬としての側面を持っているものと感じました。

「薬味」と置き換えたときに、茗荷、大葉、そして山椒が材料候補となりました。

山椒ってなに?

山椒の実

山椒は海外では「ジャパニーズペッパー」と呼ばれていて、ハーブの一種として取り扱われています。僕がパリで仕事をしていたときにシェフが「山椒のオリエンタルな香りが好きだ」と言ったときにビックリしたことを覚えています。実に独特な香りを持つ植物です。

山椒はミカン科サンショウ属、落葉低木に分類をされます。山椒の香りの例えに柑橘系というものがありますが、それもそのはず、ミカン科ということからあのさわやかな香りを感じることができるんですね。

さらに縄文時代の土器の中に山椒の実が見つかっていますが、このことから、すでに縄文時代には山椒が利用されていたと考えられます。一般に現存する日本最古の歴史書「古事記(712年)」に記された一文があります。

「垣下に植えしはじかみ口ひびく」

これは「垣根の下に植えたはじかみは口がひりひりする」という意味なのですが、「はじかみ」というのが山椒の古名とされています。

現代において「はじかみ」というと焼き魚等に乗っている棒状の生姜を想像すると思います。

はじかみ

はじかみは「箸休め」「口直し」の意味があります。

さらに、酢とショウガの色素が反応して、全体がほんのり赤い色から桃色になることで、端のほうが赤くなります。これを「はじ赤み」ということから、「はじかみ」と呼ばれるようになったという由来があります。

山椒も生姜も昔は同じように「はじかみ」と呼ばれていましたが、どちらにも共通していることは「噛んで辛いもの」ということです。きっと、辛い物の総称として「はじかみ」という言葉が使われていたものと思います。

そして「はじ赤み」という意味合いが強くなり現代では生姜が「はじかみ」として使われているものと思います。

山椒は捨てるところのない和のスパイス

ちりめん山椒

山椒は古くから薬や香辛料として利用されてきた歴史があります。現在も、新芽や若葉は和のハーブとして、実は和のスパイスとして利用されています。

山椒の魅力のひとつは季節を表現することのできるだけではなく、捨てる部位が無いと言われる食材なんです。詳しい紹介がありましたの引用をさせていただきます。

【葉】

「一般的に『木の芽』とも呼ばれる葉は、やわらかい春の時期に収穫して佃煮にしたり、お吸い物の飾りや彩りで使われます。ほんの少し添えるだけでも香りのパワーは絶大です」

葉山椒の使い方……佃煮、お吸い物や炊き込みごはんの飾りに(香り付け)

【花】

「4月下旬、山椒の木に花が咲く直前の2〜3日しか収穫できない花山椒。主に佃煮にしますが、炊き上がりはかさが1/10くらいにぐっと減ってしまいます」

花山椒の使い方…佃煮にして豆腐の薬味やちらし寿司の具材などに

【実】

実は5月と7月の2回に分けて収穫します。5月に収穫するやわらかい実は佃煮に、7月に収穫したかたい実は乾燥させて石臼で挽き、家庭でもよく用いられる粉山椒にします。どちらもフレッシュで強い香りと、舌がピリリとしびれる刺激的な辛味が特徴です」

実山椒の使い方(佃煮)…そのままごはんに乗せたり、お茶漬けなどで。魚の臭みを取り除いてくれるので、いわしやさんまなどと炊き上げるのもおすすめ実山椒の使い方(粉山椒)…鰻やおでん、からあげなどに

【皮】

「あまり知られていませんが、山椒は木の皮も食べることができます。山椒の木の皮をアク抜きして刻み、しょうゆで炊き上げた『辛皮(からか)』は、しびれるような辛さで、有馬では昔からお酒のアテとして親しまれてきた珍味。また昔の人は木の皮を剥いだあとの木をすりこぎの棒として使ったといいますから、本当に捨てるところなく使っていたのですね」

皮の使い方…『辛皮』にしてごはん、お酒のお供に

引用:FOODIE

海外での日本食ブームから多くの方が山椒という食材を知りました。その海外で山椒は「ジャパニーズペッパー」と呼ばれています。独特の香りや痺れが特徴で、油脂類との相性が良いことから料理でスパイスやハーブとして使われることが多くなり、さらに甘味へのアクセントとして、チョコレートやジェラートなど菓子類にも利用されています。

この感覚はハーブやスパイスを普段の生活や食事の中で多用するヨーロッパの方々の感性だからこその感覚ではないでしょうか。

サンショウビアとして成立をするか試作

サンショウビア

以前、ジンジャービアを作りました。

キッチン男子:イギリス伝統発酵飲料「ジンジャービア」

生姜はスパイスとして成り立ちます。そして同じ時期にジンジャーエールも作っていました。生姜を薬味として考え「大葉」「茗荷」「パクチー」そして「山椒」など香りの立つ薬味を使いジンジャーエールを作る要領でスパイスを変えて作りました。このことから生姜の代わりに山椒を使いジンジャービアならぬサンショウビアを試作してみました。

山椒の実をミキサーにかける
ミキサーをかけた山椒

ジンジャービアを作る要領で鍋にかけ、沸騰したら弱火にして煮込み、45℃まで温度を下げドライイーストを加え、裏ごしをしてペットボトルに移し替え、しばらく常温で放置をしてペットボトルがパンパンになったら一度キャップを緩めガス抜きをして再度しっかり締め直して冷蔵庫で保存をします。

サンショウビア

どのような味になるのかが非常に楽しみです。


そして裏ごしをしたときに搾りきった山椒の実はミキサーで細かく砕かれています。香りは薄らいだものの、じんわりと、緩やかにやってくる痺れが気持ち良く感じます。この山椒の実はシロップ漬けした山椒の実と合わせて焼き菓子を作ろうと予定をしています。

搾った山椒の実

まとめ

山椒というと鰻をはじめ和食のイメージが先行をしますが、今ではヨーロッパのシェフたちも魅了されるハーブでありスパイスです。初夏に楽しめるフレッシュな実山椒を今回使用をしていますが、乾燥させた粒山椒や、使い勝手のいい粉山椒など、様々なレパートリーがあるのが山椒です。その味わい方もいろいろです。

ピリリと刺激的な痺れと辛さをもちながら、その上品な香りと深みのある風味は食欲をそそり、料理をランクアップさせる力がある山椒。大人だから分かる山椒の魅力。サンショウビアはどうなるかお楽しみに。

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