神楽坂で2011年にスコティッユパブ「ザ・ロイヤルスコッツマン」を開業しながら、2021年より無農薬農業を始め、食を通じての体験や考えをまとめたブログです。食育インストラクターでもありオーガニックの普及に努める。国内では珍しいスコットランドの民族楽器バグパイプ奏者で全国のビールやウイスキーのイベントでの演奏も行っています

黒糖生姜シロップ(無加水)


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生姜の定植からやく6カ月が迫り初収穫を前にドキドキしています。
定植をした種生姜は320kgありました。新生姜になる部分は約2t(トン)!!。そして種生姜も使えるのですが水分が少しは減っているので加工品をメインに使用予定でいますが、それでも相当の量になります。

シロップ、粉末、ケーキなど生姜の加工品は種類は多くはありませんが、昔から健康のために食されてきた歴史があるので需要という部分では大いに期待のできる食材です。

加工を考える際の大きな問題点

食品工場

加工をするのに何が良いのか考えると、やはり長期保存可能な商品になります。店舗ではジンジャケーキを作っているので商品としての販売は可能ですが、大量生産ができるほどの厨房機器も冷蔵冷凍庫も無いので厳しいです。もちろん加工業者さんに委託製造を考えないといけません

さらに、多量生産をする際に問題になるのが「衛生管理」です。長期保存が出来るからといって、製造過程などを簡単にすることはなかなかできません。長期保存になるので製造から消費されるまで時間差が発生をするので衛生管理は徹底することが必要です。

店舗でEC用でケーキなどを作る際は、色々と仕込む前の一番最初にしたり、営業後にいったん片付けた後に仕込みをしたりと、なるべく店舗の仕込みと同時にやって材料や器具が散乱しない状態でつくるようにしていますが、店舗ではそれも限界があります。なのでレシピを提供し委託製造をしてもらうことのほうが安全と考えています。
もちろん、店舗でも色々と作って販売はしていきます!!

市場にある生姜加工品を調査して考えたこと

畑の生姜

「生姜=健康」というイメージが多くあり、この世の中にも多くの健康をキャッチフレーズにした生姜商品は多くあります。その代表的な商品が生姜シロップ、生姜パウダーです。僕もこの2種類に関しては製造をしたいと考えています。実際に無農薬生姜パウダーの味を見たときに、これまでの生姜パウダーは何だったのか!?と思うほどに驚いた経験もあるからです。

生姜は無農薬で栽培することが難しい作物なので無農薬ということで価格も上昇をします。有機JASマーク認定がされているものに関してはそれ以上に。コロナ禍で食の安全や健康ということが注目される世の中になったので良い機械と思います。ただ、現状では僕の場合は初年度で認定にはほど多い状態なので無農薬で栽培をしていますが無農薬という言葉も、有機という言葉も、オーガニックという言葉も表記して使用することはできません。

料理をやってきたからこそ、製造方法はラベルの食品成分表を見れば、使用材料が書いてあるのでだいたい分かります。そして生姜の加工品は「健康」を売りにしているものも多くあまりごちゃごちゃと多くの材料が混ざっていることも無いので直ぐにイメージが付きやすいと思っています。



無農薬はまだその先になりますが発酵生姜を作ることは可能です。発酵生姜にすることで生姜そのものの栄養価がアップします。ちょつとしたひと手間を加えることで価値の再発見にもなります。

黒糖生姜シロップ

試作をした黒糖ジンジャーシロップ

シロップのレシピを調べていると水を加えるものが多くあります。シロップなので若干の濃度が必要になるので水を加え煮込んで濃度を出してというレシピが一般的です。しかし、生姜自体が水分を含んでいること、その水分のみなら水を加えるとで薄まることも防ぐことができます。マイナスにする考え方です。

ジャムを作ったことのある方だとイメージしやすいのですが、例えば苺ジャムを作るのに、鍋に苺を入れて砂糖を入れて少し潰してあげると、苺の持っていた水分が出てきて、その水分が砂糖を溶かし液化させ、あっという間に水分が増えたように見えます。これと同じ原理です。水分を加えずに糖類と混ぜることで自然に水分が出てきます。今回はこの糖類の部分を沖縄県の黒糖を使用してみました。シロップなので若干の濃度が無いと困るので水あめを利用し濃度を付けてみました。

黒糖の栄養価

黒糖

生姜もそうですが、黒糖も健康や美容に良いイメージがあります。
沖縄では黒糖はとても身近な食べ物で、普段からよく食べられています。

黒糖はさとうきびの搾り汁のみを、そのまま煮詰めて、冷やし固めて作られる黒褐色の砂糖のことを言います。黒砂糖とも呼ばれます。原材料はさとうきびのみを使用しているのでミネラルやビタミンなどがそのまま含まれていて、苦みや渋みなど独特の風味とコクのある甘みが特徴です。

白砂糖は、さとうきびの搾り汁やてん菜から抽出した糖液を煮詰めた後、ショ糖の結晶と糖蜜を分離させます。その結晶だけを集めた原料糖(粗糖とも呼ばれる)を精製して作られます。

上白糖は製造最後の工程で転化糖を加えます。無色透明の砂糖が白砂糖で、上白糖とも呼ばれ、和食屋さんや家庭など一般的に使われている砂糖です。

グラニュー糖も良く使われると思いますが、上白糖との違いは最後に転化糖を加えないことです。

清涼飲料水製造業許可

飲料水製造

飲食店でテイクアウトや通販をするのにも商品にもよりますが様々な許可証が必要になります。僕の場合、スコッツマンでは店舗の運営に必要な営業許可証以外に3つの許可証を持っています。➀菓子製造、②お惣菜、③食肉販売(包装)この3つです。シロップと聞くと「お菓子?」と思うかもしれませんが、飲食店営業許可証でも、菓子製造許可証でも販売をすることができません。

ペットボトルなどの容器入りの飲料(希釈シロップ含む)の販売は「清涼飲料水製造業」の扱いになります。しかも、この規格基準は非常に厳しいもので、既に飲食店として機能をしているスコッツマンでは取得は不可能というものです。取得のためには加工場を別で造らないといけないようなレベルです。

製造に必要な設備、自動的に容器に充填できる充填機は必須で、初期段階で設備にかなりの資金が必要です。飲料というカテゴリーになり、衛生に関しての基準もアップするので何か不手際で料理の材料やゴミ、その他付着や混合を防ぎ衛生基準を守るために別設備、加工場というものが必要になるわけです。現状では自社では無理ですがOEM(委託製造)でしたら可能になります。

徹底的に加工場を調べ手あたり次第に連絡をしました。メール、電話、電話、メールと何度も何度も繰り返し、やっと1か所の加工場と巡り合うことができました。僕のやって欲しいことをやってもらえる!!そう思えました。様々なサンプルのお話しから商品を取り寄せています。「アレをしたあとに、アレしたいな!」という第二、第三の加工のことも考えてくれ返信を頂き、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。レシピを作り上げ収穫後に商品を作って頂きたいと準備をしています。

まとめ

煮詰めた黒糖ジンジャーシロップ

通販商品の製造というものは店舗での営業中に提供をする料理やお菓子とは少し違うことが多いです。まず飲食店営業許可証だけでは販売は出来ないということです。2021年6月に食品衛生法の改正でこれ以前よりは幾分か簡単になった部分がりますが、それを知っている飲食店も少ないというのが現状なんだと思います。勝手にやるのは簡単ですが、数年前の焼肉屋案で起きた衛生上からの命を奪ってしまった事故のように、食品というものも同じように取り返しのつかないことが起こる可能性が常にあるということです。そこを意識しないといけないと思っています。

僕は料理を長いことやってきているの、ある程度は直ぐに作れてしまいます。だからこそ注意をして「販売可能なのか?そうではないのか?」「製造可能か?不可能か?」こういう初期段階の疑問を、まずは保健所に電話をして確認をするようにしています。これはとても大切な仕事です。

ジンジャーシロップはレシピを作り加工業者様と打ち合わせを繰り返し、完成度をあげていきます。その他の商品に関しても出来るものと出来ないものを考えて生姜商品を徐々に増やしていこうと計画をしています。それは自社のECショップでの販売がメインです。そして百貨店さんにも置いて頂くことを考えているので食品成分から賞味期限など食べるだけでなく、商品自体の食品検査を行い正しい情報を知らべるということも必要になります。信頼を裏切らない商品作りには時間がかかるものです。

生姜商品をFCショップに並んでいることを考えながら楽しんで商品作りをして行きます。

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