神楽坂で2011年にスコティッユパブ「ザ・ロイヤルスコッツマン」を開業しながら、2021年より無農薬農業を始め、食を通じての体験や考えをまとめたブログです。食育インストラクターでもありオーガニックの普及に努める。国内では珍しいスコットランドの民族楽器バグパイプ奏者で全国のビールやウイスキーのイベントでの演奏も行っています

生姜収穫を前に振り返り

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4月末の定植から5ヶ月が過ぎ、農業に携わって色々と考えることも増えました。7月くらいには一部が黄色くなり枯れるようなことがありましたが、何度枯れても新しい芽が出てきて茎は細く小さいながらもから一生懸命に生きています。凄いなと関心をさせられます。

根茎腐敗病という生姜がかかりやすい病気で、これが発生すると畑が全滅するとも言われていて早急に病気になった生姜だけでなく、その周りも取り除き病気が広がるのを防ぐような処置までされる病気なんですが、何度枯れても新しい目を出して生きようとしています。

これまで言われてきたようなこととは何かが違うのですが、僕のたった5ヶ月の経験上では「無農薬だから」ということくらいしか分からないのも現状で、やはり経験をすることの意味を突きつけられます。

週に2回の畑仕事

湘南新宿ライン

農業を始めるときの不安はやはり「東京神楽坂↔栃木県小山」この距離を飲食店をやりながらどうやって農業に携わるかということが一番考えたことです。しかしながら始めようとしたときはコロナ禍で東京都は緊急事態宣言、まん防と通常営業が一切できない状況が続いていたので「これだったらどうにかなりそうだ」そう思って直ぐに開始をしました。

やると決めたからには、どのように進めていくのが一番いいかを考えて「週2回」という数字を決めました。定休日の月曜日、そして木曜日。丁度いい間隔と思いその曜日に決めました。でも実際に始めてみると「3日は欲しい!」とすぐに思うようになりました。

距離の問題は時間の問題でもあって、何かあってもすぐに戻ることは決してできません。カンカン照りが続いても直ぐに水をまくこともできません。長雨が続いても直ぐに対応ができません。何よりも生き物なので心配になってきます。

さらに、この東京と栃木を週2回ということが、農業をやるに当たっては「例外」とされることが当たり前の現状です。「農業は畑の近くで生活をして管理をするもの」という考えが農家さんも行政も持っていて「そんなんじゃ畑の管理はできないよ!」とか「農業はそんなに簡単じゃないよ!」「無理だよ」などなど悲観的な意見しかもらっていないんじゃないかというくらいに、そういう声をもらいました。

僕の性格上、やってもいないのに悲観的に言われるとカチンとくるので「そんなのはこれまでだったり、あなた達のことであって僕には該当しない!」と、ついつい声を荒らげてしまいます。この点は反省しないといけないんです。

しかしながら頭ごなしに無理と言われますが、それをやったという認証もないし、前例がないからそう思うだけであって、無理かどうかは別問題だということを考える力が無いとしか思えません。

だったら目標ができます。

「週2回で良い生姜を作ろう!」

こう思うと、どうすれば良いかなとか、何かしらの行動や対策を考え始めます。僕は農業の経験も、生姜を育てる経験も無いから、まずは自分の先生のやり方を頭に入れて、やるのみ!これしかありません。

来れないから準備をしておこう

スケジュール管理

常に先の先を考えて畑の計画を立てます。畑には基本的に定休日の月曜日と木曜日。日にちを決めることで店舗の仕事も全て決まり始めます。水曜日は市場が休みだから週末に向けて木曜日に材料は確保しておくか。とか、業者さんが来る日であったり、スケジュールの管理がしやすくなりました。

畑に行く2日間のうち、雨が降ってしまったら肥料になる籾殻ぼかしを仕込んだり、借りている小屋を片付けしたり、資材の買い出しに行ったりと次の仕事に取り組みやすい体制を整えておきます。週2回しか来れないので1日たりとも無駄にはしません。少しくらいの雨だったら草むしりもして、とにかく畑の状態を常に把握をするようにして、行ったときには写真や動画を取って記録を残し、その日の夜などに、その日の作業内容や気づいたこと、思ったこと、今後取り組むことなどを記録しデータ化する。それを農業用でつくったスケジュール表にリンク付等をして管理する。

そうすればいつでも見返すことができます。

ネットでも情報を集めブックマークやリンクをしておく。加工品も、加工工場も、気になったものは全てリンクしておく。

初めてだからインプットする。それを自分の畑で確認をする。何が同じで何が違うかを見て、自分なりの答えを出す。これの繰り返しです。

週2回という日が決まっているので天気予報を確認して2週間先までの畑作業を決めておく。雨だった場合でも対応ができるようにしておく。

草むしりも畑に行ったらまずはノルマを決めます。「3畝の草むしりを終わらせないと帰らない」僕の畑は11畝あるので3畝で分ければ約4日。2週間ですべての畑のむしりが終わる計算。なので2週間を1サイクルで進める。最初に草むしりをしたところを3週間目で草むしり、その頃には綺麗にした畝に草もしっかり生えている状態。状況により綺麗にするか、適度に残すかを決めるなどしながらこの5ヶ月を過ごしていました。

結果、週2回、東京と、綺麗な畑を維持できています。

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新規就農の難しさ

小山市役所

農業をやっていますが、正式に農家としての立場ではありません。就農をしないと始まらないんです。就農とは書いて字のごとく「農業に就職」することです。

どんなにやる気があっても「はいどうぞ」と畑は貸してくれないのが農業界の習わし。僕が管理の仕方、現状の畑、データを行政に行き見せたところで「週2回で・・・」「東京と行き来して・・・」これで話が終わってしまうんです。なので幾度となく声を荒らげました。何度も何度もすみません。

耕作放棄地はそこら中に転がっていて、人口減少の中、農業をする人間はどんどん減って、地域の衰退をわかっていて、農業従事者を増やそうと声を上げているわりには、何もしていない。行動が遅い。これまでの半年ほどの期間に耕作放棄地を1回でも紹介をしてもらえたことがありませんから。基本的に体制が古く農業関係は補助金等が手厚いので現状維持にどっぷり使っていて危機感が無いというのが答えなのかなと思います。

農林水産省は8月31日、2022(令和4)年度予算概算要求を決定し財務省に提出しましたが、その総額は今年度当初予算額よりも16.4%増となる2兆6842億円を要求です。これには2030年までにやらないといけない「みどりの食糧システム戦略」によるものと思います。

みどりの食糧システム戦略とは

農林水産省

間違いの無いように、みどりの食糧システム戦略のページより抜粋をさえて頂きます。

我が国の食料・農林水産業は、大規模自然災害・地球温暖化、生産者の減少等の生産基盤の脆弱化・地域コミュニティの衰退、新型コロナを契機とした生産・消費の変化などの政策課題に直面しており、将来にわたって食料の安定供給を図るためには、災害や温暖化に強く、生産者の減少やポストコロナも見据えた農林水産行政を推進していく必要があります。 このような中、健康な食生活や持続的な生産・消費の活発化やESG投資市場の拡大に加え、諸外国でも環境や健康に関する戦略を策定するなどの動きが見られます。今後、このようなSDGsや環境を重視する国内外の動きが加速していくと見込まれる中、我が国の食料・農林水産業においてもこれらに的確に対応し、持続可能な食料システムを構築することが急務となっています。 このため、農林水産省では、食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現する「みどりの食料システム戦略」を策定しました。

農林水産省 みどりの食糧システム戦略

2030年前に農林水産省が掲げた、地球を考え日本国内の食糧、健康、環境問題を急速に構築をしてくという戦略なのですが、先日伺ったオーガニックライススタイルEXPO2021のセミナーの中でも農林水産省の方のセミナーの中で、この「みどりの食糧システム戦略」を強く発していました。

これまでの農薬や化学肥料を使用する慣行農法から有機農法への推進であったり、小中学校の給食で有機作物を使用するなど細かい点は多くありますが、これは農業をメインと考えた部分が非常に多く感じたので参加をしたのですが、当日、コロナ禍ということもあるかもしれませんが、あまりにも人も少なく、農業をやっている人は殆どみられませんでした。

農業に追い風が来ている

政府の方針だけでなく、今回のコロナ禍による生活の変化、物事の考え方の変化など、これまでに考えなかったことを考えるようになりました。そして世界的SDG’sへの取り組みなど、全てにおいて農業をバックアップするような体制が整いつつあります。でも簡単ではありません。

都市型農園などもキャンセル待ち、半農半Xといったメインでの仕事と農業の半々の生活、そして大きな農業ブームが今起きています。芸能人の方も農業を始めてSNSで発信をしたり、大企業もこぞって農業に参入。その勢いは止まりません。

雑誌のBrutusでも農業の特集が組まれ、買って読みましたが写真おお洒落で、若い農家さんたちの特集が多く組まれ興味を持つ内容になっていました。ファションという観点からの農業の印象が強いですが、きっかけを持つには十分な内容だと思いました。

肉体労働で3Kと言われた農業も、コロナ禍の意識変化で「地球にやさしい」「自然環境を守る」というような意味合いを持ち「持続可能」という大きな意義を持ち始め、新しい農業として生まれ変わったような気がします。

まとめ

雨の日も畑仕事

農業をはじめてみて素直に思うことは「楽しい!」ということです。そして夢が膨らみます。

僕の場合は農業を始めることが目標では無くて、農業で育てた商品を加工して販売することがスタートライン。その後、加工場や農地のある地域に飲食店を作る、その先のことも考えています。なので農業でへこたれる場合ではないんです。神楽坂のスコッツマン同様、地域にあり続けるということが大切だと思っています。

良い加工品を作るために、良い作物を作る。料理をやるときに考えるようなことを農業でも考えています。大規模農園まではせずにコンパクトな畑で、どれだけ収量をあげることができるのか。その方が効率的に良いと農業を始めて思うことです。同じ広さの畑でも多く収穫が出来る方が良いわけです。自分の畑の倍の畑での収量が同じ場合、労働作業は半分で良いわけです。歩く広さも半分です。そういう農業を考えています。有機JAS認定を取ったり信頼度をあげることも必要かもしれませんが、認定よりは自分の納得のいく形での作物を作ることを優先に考えています。

今のところ普段は神楽坂のスコッツマンで料理を作ったり、お酒を提供したりして、週に2回は栃木県小山の畑で野良仕事。今年の2月から休みの日は1日も取っていないことに気付きましたが、畑に行くことで気分を変えることができます。ただただ下を向き土をいじり草をむしる。汗を流しながら生姜のことだけを考えて。そして、また神楽坂で仕事というローテーション。いい意味で頭の中がシフトチェンジしてリフレッシュできているんじゃないかなと思います。健康だし疲れ知らずです。

農業には大きな未来があると本気で取り組んでいます。

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