神楽坂で2011年にスコティッユパブ「ザ・ロイヤルスコッツマン」を開業しながら、2021年より無農薬農業を始め、食を通じての体験や考えをまとめたブログです。食育インストラクターでもありオーガニックの普及に努める。国内では珍しいスコットランドの民族楽器バグパイプ奏者で全国のビールやウイスキーのイベントでの演奏も行っています

飲食と農業をつなぐこと


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コロナにより食生活は大きく変わったと飲食店をしている身なのでハッキリと言い切れます。
食生活という食だけの話ではなく、人に会う、人と話すなど生活そのものに変化があり、その一つが食生活だということです。

食という人間の生存に直結をする業界で16歳の頃から現場で仕事をしていた者としては、「これまでは何だったのか?」ということに多く直面をします。
2020年4月の緊急事態宣言、初めて直面をした不自由さ。そこから1年半になる2021年9月、第5波といわれる中で若年層の感染、重傷感染者の数字が右肩上がり、これまでは感染が少ないと言われてきた年齢層なだけにワクチン接種は後回しだったところへ対策として集団接種へという動きになっています。

大きく変わった食への考え方

外出をしにくい、テレワークになったなどの変化により、飲食業界も大きく変化を余儀なくされていると感じます。ただ、この変化というのは対応であったり提供の仕方であったり、もちろん換気などの店舗の作りに該当するものもありますが、それ以上に「食の隔たり、こだわり、格差」のような内面的であったり、考え方というものへの変化の割合のほうが僕は大きく感じます。

コンビニが当たり前になり、それがこれまで以上に日常になってしまった。

食生活の乱れで体調を崩しやすい

偏食が増え体重が増加した

マイナスな部分ではなくプラスの要因も大きく動いています。

積極的に野菜を食べるようになった



無農薬や有機食品、オーガニックなど食材そのものを気にするようになった

外食の際には少し高くても健康的で美味しいものを選ぶようになった

そして、僕のように「自分で野菜を育てたり、農業、家庭菜園を始めた」

無農薬は決して無農薬ではない

「無農薬」とつくとなんでも「農薬を使っていない」「安全な食材」と思ってしまいますが、そうではありません。
この部分は大きく勘違いをしているん部分で、一般的にはその詳しい内容は広がらない部分でもあります。

「無農薬」「有機」「オーガニック」この3つの言葉は「体に良さそう」とすぐにイメージができる、そんな意味合いを持った単語です。では、この3つの単語の意味を理解をしているかというと、そうではないと思います。以外に知らない人のほうが多いと思います。農薬は少ないんだろうし、何も書いていないものよりは安全だろう・・・というくらいで食品を選んでいると思うので3つの違いを完結にまとめて説明をします。

有機栽培について

無農薬へ行く前に、まずは有機栽培(農業)について理解をしておくことが重要です。

有機栽培(農業)について、我が国、日本では有機農業の推進に関する法律(平成18年法律第112号)において以下のように定められています。

「化学的に合成された肥料及び農薬を使用しないこと、並びに遺伝子組換え技術を利用しないことを基本として、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した農業生産の方法を用いて行われる農業」

このように法律で定義されています。法律は何でもそうですが意味が少し難しいです。なので簡単に言うと、「化学肥料や農薬、遺伝子組換え技術を使わない、環境にやさしい栽培方法」というくらいが丁度いいと思います。一般的に有機野菜と聞くと、「安全で美味しい野菜」という健康に対する一面を見ることが多くありますが、実はそれだけでなく「自然の力を生かし環境や地球にやさしい農法で生産されなくてないけない」という大切な部分が欠損し伝わっています。

有機栽培の特徴は「土」

有機栽培で大切なことは「土」ということを覚えてください。何もしていない土ではなく「たい肥など」で畑以前の土づくりを始めるところから始まります。この期間に化学肥料や農薬を使用せず、2年以上経過した健康な土で栽培を行うという基準があります。さらに 有機栽培を行い「有機農産物」として認められるには、国で定められた基準「有機JAS規格」をきちんと各分野において満たさなければいけません。各分野と書いたのは、それは土づくりだけでないからです。収穫した作物の生産過程に多くの細かいルール、決まりごとがあり、それを正確に守り、認定機関から認められて、初めて「有機農産物」と呼べる農作物になります。非常に厳格なルールが決められ維持をすることも非常に大変です。

近年というか、このコロナ禍により食の安全が歌われ求められるようになり、「有機」という表示はこれまでよりも多く目にする機会が増えました。「有機」という表示をパッケージの掲載するためには明確な基準があり、それに基づいて生産しているということを消費者に示すことのできる証で、高倍率を上げるきっかけにもなる証でもあります。

有機JAS規格とは

有機JASマーク

前に「有機JAS」という「規格」をクリアしたものが「有機」とつけることを説明をしました。では、この「JAS規格」とは何なんでしょうか?

これは、農林水産大臣が制定した「日本農林規格」のことです。品位・成分・性質など品質に関係する基準、並びに生産方法に関する基準が定められています。この品質と生産法におけるJAS規格を満たし、検査に合格すると、「有機JASマーク」を付けることが許可されます。そしてこの「有機JASマーク」がなければ「有機〇〇」と表示できません。どんなに「自分は有機で育てているんだ!」と言ったところで、きちんと生産管理が規格によって証明され、それが認定されないものに関しては「有機」とは表示することができないんです。

無農薬栽培、有機栽培、オーガニック、自然農法・・・どういうこと?

農薬散布

世の中には本当に様々な農法があります。有機JAS規格を合格するためには、それ相当の規格認定が必要になることを前に書きました。この中で「オーガニック」という言葉がありますが、日本では「 オーガニック = 有機 」と同じ意味合いで対応をしていますが、世界的基準からすればちょっと的はずれなことなのですが、これは長くなってしまうので別の機会に書いてみようと思います。

話を戻すと、有機JAS規格による規格検査に合格しないと、「有機」とか「オーガニック」という言葉の表示をすることは認められていません。次に無農薬について説明をしていきます。

無農薬とは

これは字そのものの意味とは少し違います。「無農薬栽培」と聞くとそ、生産期間中に全く農薬を使用しない栽培方法と思うと思います。たしかにそうなんですが、そうではありません。ここが消費者には伝わらない部分です。現実問題として、田畑などの土壌に農薬が残っていたり(残留農薬)、自分の畑は無農薬で育てているけど、隣の畑から農薬が飛散してくることも考えられます。収穫された農産物に全く農薬を含まないことを示す厳格な基準やそれを認定する機関はありません。なので誤解を招くことがないように、現在は「無農薬」と表示することが禁止されています。この代わりに規格として「有機JASマーク」が存在します。なぜなら有機JASマークの取得には厳格な基準があり、それを検査する機関が存在するからです。

無農薬でも農薬は使える

このことを知らない人が一番多いと思います。

有機栽培では、化学的に合成された農薬を使用することは禁止されています。ただし、すべての農薬が禁止されているわけではありません。ここが最大のポイントです。認められている農薬であれば使用可能だということです。ここを知らないがために「有機栽培よりも無農薬栽培の方が安全」と、誤解してしまっている人が多い理由です。

有機栽培は農林水産省の認定機関に認められなければ「有機JASマーク」が表示できないことに対し、無農薬栽培は第三者機関が認定しているわけではありません。なぜなら「無農薬」という表示が認められていないからです。

何だかなんだと書きましたが、オーガニック=有機栽培(日本国内において)であり、その栽培方法に無農薬栽培や減農薬栽培という栽培方法があると思ったほうが理解しやすいと思います。

飲食は幸せの1つのカタチ

大阪

緊急事態宣言が解除され、お酒の提供も可能になり、お客様が店内で飲食を楽しむ姿を見ることが本当に夏か良くも嬉しい毎日を過ごしています。その中で垣間見れることがあります。

これまで、いつでも飲食店に行けて、飲んで、食べて、ハシゴして、また飲んで。こういうことが日常的に自由に出来るのが日本の飲食のカタチでした。これだけの大都市の東京では深夜になっても灯は消えることなく、24時間のコンビニも多くあり、チェーン店や個人店でも朝方までオープンしている飲食店も多く、女性一人でも自由に行動が出来ました。海外ではこうはいきません。そして時短がこの1年間はずっと続き、多くの飲食店が閉店になったりとで街が暗くなりました。それでも安全な東京は凄い街だなと思います。

そんな日常が普通だった日常は、そうは行かなくなりました。友人や家族、恋人同士での飲食店の利用は楽しい時間を過ごす場であり、そこに華を咲かせるものが料理やお酒、お店のスタッフやお店の雰囲気。総合的なもので演出をした飲食店を個人間で好きになり、通うようになり、常連さんになったり、そこで知人が出来たりと、人生を豊かにする場だと僕は思っています。それが一時的にも遮断をされました。直接的なコミュニケーションが無くなりました。

時短営業とは言え、これまで通っていた飲食店に再度足を運んでくれるお客様方は、そこの場がやはり何かの理由で気に入り再来店をしてくれます。もちろん使い方も変わった部分も見ることができます。切り上げる時間が早かったり、お酒を飲むペースが変わっていたりします。それでも「そこにいる」ということには変わりはありません。

その景色を見たときに「これからの時代にこそ飲食店は必要なものなんだ。」そう実感をしました。

これからの飲食店の問題

緊急事態宣言が解除されましたが飲食店は大きな問題を抱えたまま再開となりました。それは時短等の時間的制約もありますが、「人材不足」「食材の価格高騰」です。そして「お客様の考え方や行動」です。

チェーン店をはじめ、多くの個人店でもアルバイトスタッフの力は非常に大きいものでした。しかしコロナ禍により飲食店は休業という形を取ったことで多くのアルバイトスタッフ、社員に至っても仕事が無くなるということが日常的に起こりました。これまででしたらアルバイトデビューは飲食店だったという人は多くいます。とりあえず手っ取り早く飲食店でバイトという立場だったことも確かです。しかし休業や時短等をすることで「仕事ができないので安定的に稼げない」という業種に成り代わりました。再オープンをしたのにアルバイトスタッフが決まらず再オープンをすることができないお店もあるほどです。

そして、これまでに無いほどの食材の高騰です。食肉や油は上昇が止まりません。個人の焼肉屋さんなどはお肉の仕入れに頭を悩ませているんじゃないかと思います。仕入れ値は相当上がっているのに、価格はこれまでと同じで!という状態だともいます。こんな時だから価格を上げるとお客様が離れてしまうから・・・という理由が多いと思います。

早くお客様を戻したいという理由で価格を下げるというやり方は正しくは無いと思います。ただでさえ客先を減らしているのでこれまでのような売り上げは、これまでと同じように、これまで以下の価格では到底持ちこたえることができなくなってしまうからです。

お客様も解除はされたと言っても、しばらくは自分の知っている信頼できるお店に行くことの方が多くなります。これは、これから年末にかけてもそうですが早く回復を出来るお店と回復が出来ないお店に分かれることを意味します。そのためには、感染対策・衛生対策を行っていること。注文や会計、店内のスペースなども対象になってきます。もちろんですがスタッフの差接客の仕方もです。

まとめ

「食」という問題から僕の場合は「農業」を選び始めました。健康や食べ物を気にする方もこの期間中に増えました。その元となる「農業」を自分で行い、食材そのものに直接的に関わり合いを持つということを選びました。

農業と飲食が近いことは、確実な差別化につながります。

農業を知らないと、都会の人はその有り難みをあまり感じることができないと思います。

僕は無農薬で生姜を育てていますが、この期間中に色々な農家さんに出会い、話を聞くことができまし。その中で思うことは、同じ野菜でも農薬を使うものと農薬を使わないとでは、その発育や大きさなど全く違うことです。同じような成長をすることはありません。無農薬はやはり手間もかかり、状況次第ではまともな作物にもなりません。

だから農業やっていない人が何も知らないで「農薬の野菜なんか!」とか「無農薬が良い」とか言っている姿を見ると「何も知りらないのに良く言うよ!」「どれだけ大変なのかやってみなよ」と思ったりします。無農薬は大変なことも多いがゆえに少ししか取れないこともあり価格も高くなってしまいます。その理由をちゃんと理解をしなくてはいけません。

高級店のお料理はファミレスと比べると「高い」です。でも理由がそこにはあります。なので、そういうことを少しでも分かつていると高いと思っていたものも、あまり高く感じなくなります。

消費者だけでなく、これは飲食店もしlt狩り理解をしないといけない部分です。無農薬野菜を提供したときに、育て方などをお客様に説明できるかできないかも非上に重要なことの1つになります。

こだわりは人との繋がりになってくれます。

開店当初から言い続けている「地域のお店になる」これは今も変わりません。むしろその考えは強くなりました。小さなお店ですが、お店のある半径1kmの狭い範囲の中でのコミュニケーションもので人と人、人とモノを繋ぐことを大切に考えて、今後のお店作りの核としてきます。

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