神楽坂で2011年にスコティッユパブ「ザ・ロイヤルスコッツマン」を開業しながら、2021年より無農薬農業を始め、食を通じての体験や考えをまとめたブログです。食育インストラクターでもありオーガニックの普及に努める。国内では珍しいスコットランドの民族楽器バグパイプ奏者で全国のビールやウイスキーのイベントでの演奏も行っています

新しい農地を見て


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新規就農という、新しく農業をする人間にとって大きなハードルとなりうる畑の取得。これは僕自身も経験があり、また決まっていないということを考えれば継続中ということになります。

しかし、今回はほぼ契約に向けて、畑の貸主さん、農業委員会担当者さんとの3者で書類事や確認事項の話し合いを進めています。農業委員会の方からは早ければ正式採択され名前が記載されるのは9月ということです。9月以降じゃないとその畑を借りれないかというと別の話で、今の段階まで進んでいれば双方で話し合いをしていつでも借りることは可能という状態です。

借りる畑の現状

現在借りている小山市の畑

現在、栃木県小山市で農業をしています。広さは0.5反(約150坪)、その地域での新規就農に必要な畑の広さは3反(約900坪)です。単純に6倍の広さということになります。今回手続きを進めている畑の広さは4反(1200坪)になるので約8倍にもなります。


畑1.5反、田んぼ1.5反、その他1反と3か所に分かれていますが、直ぐに使えるのは畑、土壌改良が必要なのは田んぼ。そして、除草とかそもそも始める段階に持って行かないといけないのが1反。どこも近いので移動には困りません。都合が良いのが、まずは1.5反の畑を稼働している間に、田んぼの土壌改良をすることが試せて、残りの広さの部分の活用を考えることができます。いきなり8倍の広さは現実味がありません。

田んぼの活用

田んぼ

畑の土と田んぼの土では全く違います。特に田んぼに関しては水を溜めておかないといけないので地層が粘土質層を持っています。畑は逆に水は溜まりません。なので天地をひっくり返すなり、他から土を運んできて加えてすき込んだりと作業が必要になります。

ここで日本という国のことを考えてみます。日本の森林面積は約2500万ヘクタールで、日本の国土(こくど)の67%、3分の2が森林です。約7割が森林ということは残り3割ほどの所で住宅と田畑があるということです。実は日本での田畑の面積というのは思っている以上に少ないんです。その3割の1割ほどが宅地で残りは農地だったり、その他の土地となります。田んぼと畑の割合も約5.5:4.5と田んぼの方が広いです。日本はお米文化として稲作が盛んですが、それも時代の変化でご飯を食べる人が少なくなってきていて耕作面積は減っています。

田んぼは四角い形をしているところが多いので作業はしやすいというメリットがあります。畑は色々な形をしているのが現状です。休眠地や耕作放棄地の田んぼを上手く活用ができれば、そのメリットは非常に大きいと考えています。そのためには土壌改良が必須になりますが、やる価値はあると思っています。

作業をする納屋の確保

2021年の収穫時の納屋

これは、昨年初めて農業を始めた際に、たまたま畑の近くに使用してよい納屋も借りることができたので本当に助かりました。農機具や資材を置いたり、もみ殻ぼかしを作ったり、ちょっと休んだり。そして、収穫をした生姜の箱詰め作業や一時的に置いておくなど、屋根のあることで雨に濡れることもなく作業が出来ました。



今回借りる予定の畑も近くに使用できる納屋も一緒に貸してもらえることになっています。
この納屋があるか無いかは昨年1年を通して農作業を経験しているので、大切さが身に染みています。特に雨が降ったときなど畑仕事はなかなかしにくい部分がります。そういう時でもちょっとした事なら納屋の中でやることができます。いつも使っている管理機等のメンテナンス、資材の在庫確認、借りてる納屋の掃除。仕事というものは探せばいくらでもあります。今必要が無くても、この先のために今これをやっておけば少しは楽かな?というような小さな仕事を進めておくことができます。

あとは何だか少しホッとする場所です。

畑のある地域

梅の木

これまでは栃木県の小山市でしたが、今進めている畑は宇都宮から東側、ちょっと北にに行った場所にあります。物凄く交通の便が悪いです。もし、都心から電車で行く場合は小山から電車を2回乗換えをしますが1時間に1本、1両の電車にも乗らなくてはいけません。時間がかかるのが分かりますよね・・・。宇都宮からでも車で40分はかかります。

そんな地域、里山です。地域の役場も豊かな里地里山を次世代につなぐことを目標に自然環境・景観保全条例の策定に向けた取り組みを行っています。のどかな田園風景が広がっていてホッとします。北に目を向けると3000本もの梅の木が生い茂り、3月中旬頃は様々な色の梅の花に覆いつくされます。4月~5月には芝桜が咲き誇ります。約5000発を打ち上げる花火のある夏祭り、秋にはカカシ祭りがあったりと一年間を通して季節ごとのお祭りがあるのも地方の良いところです。

何も無いことが良い

田んぼと電車

この地域を散策し、役場に何度も行き、貸主の方にも会って話しをしましたが「何でここに来ようと思ったんですか?」という質問を1日のうちに何度かされました。そのたびに「何も無いからです!」と答えましたが、その度に「そうなんですか!!」と半分笑っていました。

「不便」というのは何をもって不便と思うのか?僕のお店は神楽坂にあり、自宅も神楽坂です。たくさんの飲食店があるので、和洋中と何でも選びたい放題です。コンビニ、スーパーもあります。電車も5線走っているのでどこへ行くのも便利です。不便ということを感じたことはありません。むしろ便利さを感じます。

では、畑のある地域は便利かと言ったら決して便利な場所ではありません。不便かと言えば都心から来るのに時間はかかりますが、その地域にいると基本的に車での移動になるのでそうは思いません。道の駅が中心にあるので買い物もできます。地域の農家さんが採れたての野菜を納品するので新鮮です。

先日も何時間も田んぼのあぜ道を歩いたり、神社の階段に腰かけて休憩したり、鳥の鳴き声を聞いて、風の音を聞いて、そうやって時間を過ごしました。川にかかっている橋に座っているとたった1両の電車が通り過ぎて行きます。のどかと言えばのどかです。もう人生の半分以上を東京と海外で過ごしているからそう思うのかもしれません。しかし、農業をやって1年だけですが、「なぜ不足を悩むのか?」ということを考えるようになりました。日本には「足るを知る」という言葉があります。「自分は今あるものや持っているもので幸せを知ることが真の豊かさ」なのではないかと思います。

時間がない・・・良く使われる言葉ですが、僕も時間が足らないと感じ事があります。でも、ちょっと違うかもしれません。午前中~14:00くらいまでは畑、都内に戻り17:00~24:00までは飲食店、営業後は自分一人なので事務仕事をしたり、好きな本を読んで過ごすことが多く3:00過ぎ4:00くらいまで一人の時間を過ごします。そうなって「あれ、今日5:00に起きたんだよな」とか思うわけです。好きなことを好きなようにやって時間の足りなさを感じるんです。1日は24時間ですが、もう少しあれば良いのになと思います。ここで「足りていない」という考えが浮かぶことは、もしかしたら今日1日、自分とちゃんと向き合えていなったのかもしれません。無いものねだりで、新しいものや、新しいことと次から次へと意識が向きます。これが所有欲なんですが、なかなか満たしきることはできないと思います。

そう考えると「足るを知る」ということは、今の自分の置かれている現状を理解することで、迷いがなくなり、所有欲から解放されて幸せを感じれるようになるということで、最終的に「感謝」に繋がるんだと思います。

だから、「無い」とか「不足しているもの」に着目をして考えるので掃く、「持っているもの」「すでにあるもの」に目を向け、それをどう活かすかという発想をすると、無いことに対して「満足や幸せ」を感じれるようになるものだと思います。

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