神楽坂で2011年から飲食店を経営しながら完全無農薬農業を始め、食を通じての体験や考えをまとめたブログです。食育インストラクターでもありオーガニックの普及に努める。国内では珍しいスコットランドの民族楽器バグパイプの奏者で全国のビールやウイスキーのイベントでの演奏も行う

潅水(畑の水やり)について考えたこと

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人間同様に作物にとっても「水」は命に係わる大切なものです。

畑に水を撒くことの大切さは小さいときから学校や普段の生活の中で自然に覚えてきましたが、農業を始めると、その意味であったり、やり方であったり、そのための道具であったり、今までのような水まきのような感覚では考えられないものになりました。

畑に水を撒くという行為一つをとっても、畑の規模間で全く変わりました。僕の畑は0.5反、規模的には小さいです。しかし作物のを育てるという事に対しての水の量を考えると、それを何を使って、どう水を撒くか、ということを、この定植後から非常に考えるようになりました。

どうして水が必要なのか?

スプリンクラーでの水まき

僕たち人間と同じで、植物も細胞の集まりからできています。

細胞は水分の多いものがたくさんあります。細胞の中の水分は、土の中の根から吸い上げた水です。なので土の水がなくなってくると、吸い上げることができずに、細胞内の水分が外へ流出してしまい、細胞はひからびて死んでしまいます。そして多くの細胞が死んでしまうと、当然ながら植物は死んで(枯れて)しまいます。

また、植物の葉は光合成をしますが、これは太陽の光をエネルギーにして、根から吸い上げた水と、まわりにある二酸化炭素から、でんぷんなどの栄養分をつくって、自分の体を大きくしていくことを言います。この光合成にも、水はかかせないものです。

これ以外にも、植物の根は、土の中の水にとけている肥料をすい上げています。肥料は水にとけないと根からすい上げることができません。ここでも水が必要となります。

水がないと、植物は元気がくなってしまいまい、葉は自分の体の栄養をつくることができません。さらに根からは、肥料をすい上げることもできなくなります。水は植物の生命維持、つまり僕たち人間が口にする農作物として成長をする上で非常に重要な働きをしています。

潅水

スプリンクラー

潅水(かんすい)とは、人の手によって農作物に水を与えるという意味です。ハウス栽培などは雨の影響を受けないのでハウス内で穴の開いたチューブを通して水を撒くようなことを言います。

僕も4月末に生姜を320kg畑に植えました。生姜は水分量が非常に大切になる作物なので、この潅水ということに対して凄く悩んでいます。

畑に水を撒くという作業は、家庭の花壇に水を撒くというものとは比べ物にならないほどの水を必要とします。僕もどれくらいの時間が必要なのかを知るために実際に行ってみたのですが、水を撒くだけで2時間もの時間がかかりました。そして「どれくらいの水が撒けたのだろうか?」「均一に水は撒けているのか?」という疑問です。

先生からの教えてもらった栽培方法では、期間、水分量などが記載されています。料理レシピみたいなものなので、それからそれるとあまり良くない。ということは分かります。そのレシピはもちろんですが、それぞれの土の状態による水はけ等でも大きく変わってきますが、料理におけるレシピというものは「お手本」なわけなので、基本になってきます。何でもそうですが基本を理解できないと、当然ながら応用はできません。

肥料となる、もみ殻ぼかしを仕込んだ際も400kgとその量に驚きましたが、1週間に2回、畑のある小山に帰り状態を実際に目で見て、鼻で嗅いで、手で触って、先生のサンプルと比べてイメージをしながら進めました。基本通りの分量で、基本を忠実に守りながら行いました。40日弱で完成をしましたが、その過程の記録は今後に役立つ大切な資料になっています。料理をやっていたからこそレシピの意味を理解して農作業をすることが出来たと思っています。

つまり、この潅水という畑に水を撒くことに関してもレシピがあるので、それを忠実に守りながら行うということの大切さを理解しています。なので、どのように水を撒こうかということを考えるわけです。

ホースによる水まき

ホースによる水まき

現在、自由に使える蛇口があるので、そこからホーズを引いてみたのですが・・・これがまた非常に大変でした。家庭用の蛇口ですので水圧そのものが弱いです。しかも蛇口から70mほどホースを伸ばしているので、これによってさらに水圧も弱くなります。

ホースを伸ばしながら畑の奥まで行き、引きずりながら戻ります。このことで、せっかく作った畝の土を崩してしまうということにもなってしまいました。そしてその作業時間は2時間越えでした。僕の場合は住んでいる東京神楽坂から畑のある栃木県小山までの移動時間も往復になると5時間ほどかかります。作業をする上でも時間の問題は非常に大きいと当初から思ってはいますが、まずは自分の腕に覚えさせるためにも今年はやり切るという目標があり出来ていますが、それでも「もう少し時間が欲しい!」「畑が近ければ!」と毎回思わずにはいられません。

潅水チューブの使用

YouTube スミサンスイR育苗 住化農業資材㈱

この上の動画のように小さく穴の開いたチューブを畑の畝9本分を設置することで解決が出来るだろうということになり、資材を購入しました。水道からなので水圧は低いと思います。なので2~3畝ずつを試してみて、もしそれでも水圧が低く時間がかかるようならローリータンクというって水を貯蓄しておくタンクを設置しエンジンポンプで水を吸い上げるように変更を考えています。まずは水道でどのくらいなのかということもデータになるので試します。

自分で作る潅水チューブ設置イメージを図にしてみました。

潅水チューブ構築図

この図の下中央にある液肥混合器というのは液体肥料を加えた場合ということを想定をしましたが、使わずに行います。各チューブはバルブで開け閉めができるようになっているので水圧が弱いことを想定し必要な部分だけ開けて潅水を行えるようにしました。チューブには小さな穴が開いているのでゴミなどが混入して穴をふさがないようにフィルターも付けます。基本は塩ビ管を切って繋げて主管を作ります。DIYが好きで良かったと思います。

作っているときと、初めて水を流すときは動画に撮っておきます!

潅水のまとめ

水まき一つをとっても考えることは非常に多く、農作業として考えると更に考え深いものになりました。各農作物には適した水分量や潅水の仕方などあると思います。僕はまだ生姜しか知りませんが、生姜は水分量に左右され栽培の難しい農作物です。初めての農業にはハードルが高いそうです。しかし裏を返せば、生姜を上手く育てられるようになれば、他の野菜も行けるだろう!という楽観的な見方をしています。実際は各農作物で大変な部分はそれぞれにあるのは分かっています。

水は農作物の成長のためだけでなく、病害虫の発生予防や、農作物の品質・収量の向上にも繋がります。ただの「水やり」というような気持で簡単に考えてはいけなく、しかも決して怠ってはいけないものです。

僕のあの小さな畑ですら水を撒くのに2時か以上かかりました。このような作業一つ一つがこれまでの農業では重労働ととらえられてきたんだと自分でやってみたからこそ感じる部分がありました。これ以外にも僕のトラクタは30年以上も前の物なのでトラクタ本体の機会のシステムというものも古く手作業での操作が多くあります。しかし、現在のトラクタは僕が手作業でやっていることのほとんどを自動化できています。つまりより扱いやすく短時間で誰でも同じように出来るようなシステムが組み込まれています。すでに自動運転システム等もあります。人がトラクタに乗って操縦する必要すらなくなってきています。

この様なことからも、さらに技術が進むこと、より精密で、しかもエコな潅水ができるようになるはずです。ここ数年言われるようになった「スマート農業」というものは、この様な技術の進歩なしには考えられないものです。すでに様々な農作業分野で機器も登場してきています。日本においては農業をしていた世代の方々が多く農業をやめています。さらに少子高齢化という日本の大きな構造問題も重なり「スマート農業」という市場は今後も拡大をしますし、コロナ禍以降、大手企業の農業参入が著しいいです。どんどん機械化は進むでしょう。そして僕のように個人で農業を始める人も増えている現状もあります。昔のような人が全て行う農業ではなく、自動化や作業の軽減を進めるということにも、この潅水ひとつとっても考え方や、その仕様というものは色々とあるなと感じました。

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