神楽坂で2011年にスコティッユパブ「ザ・ロイヤルスコッツマン」を開業しながら、2021年より無農薬農業を始め、食を通じての体験や考えをまとめたブログです。食育インストラクターでもありオーガニックの普及に努める。国内では珍しいスコットランドの民族楽器バグパイプ奏者で全国のビールやウイスキーのイベントでの演奏も行っています

圃場デッドスペースの草刈り終了


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前回書いた「圃場のデッドスペースの活用」で草が伸び放題で古木が大量に捨てられていた場所の草刈りと古木の掘り出しなどが終わりました。

キッチン男子:圃場のデッドスペースの活用

相当の古木が出てきましたが、今後はこれを片付けして一度トラクターを動かして土を出します。

耕作放棄地の手間

耕作放棄地

僕が今回手入れをしている畑は「耕作放棄地」という名が付いています。字の通りで「耕作を放棄された田畑」ということです。これは農業界の大きな問題でもあって高齢化が進むにつれて農業を辞める人たちが増えます。それまで野菜や果物、稲などを育てていた田畑で農業をする人がいなくなり、借りてもいなくなり、そのまま放置をされて行きます。

僕はそんな耕作放棄地を借りました。しかし、僕の場合はまだマシで耕作はされていなかったけど、親族の方が年に1回か2回ほど雑草が目立つ頃にトラクターでキレイにしてくれていました。なので借りたときも雑草もそこそこの状態。今はその伸びて枯れた雑草をキレイにしている段階です。そしてこのデッドスペースは近くの母屋にあった植木を処分した際にそれを捨てたようで長年放置され草の中に完全に隠れる状態になっていました。それ故、古木の除去作業や草刈りがどうしても必要になります。

このように「借りたらすぐに使える」というわけではありません。もちろん、借りたらすぐに使える耕作放棄地もありますし、逆に借り手が付かないほどの耕作放棄地もあります。これまで色々と耕作放棄地を見ましたが茎が太くなってほとんど木になってしまったものが圃場に何本も出ている畑。草が背丈を超えるような高さにまで成長をして草刈りすら大変な畑など酷い所にはキリがありません!

使用していなくても農薬を大量に使用していた畑には残留農薬も残っているし、そもそも畑としての力が土に無くなっていることも非常に多いのでそのための土作りなど、時間もかかれば手間もかかるのが耕作放棄地を借りるということです。

古木の撤去作業

畑にあった古木は枯れているものがほとんどですが水分を含んで重くなっているもの、カラカラに乾燥をして崩れているものなどそれは様々です。今度はこの出てきて回収をした古木を処分しないといけません。そのままにしていても何の意味もありませんし、場所を邪魔しているだけです。なので撤去が必要になります。

畑から出てきた古木

上の写真のように枝状のものから幹、根など様々な形で古木が出てきました。写真だと分かりにくいのですが、本当にいっぱいあって山積みです。古木の周りは草刈り機で刈った枯草でいっぱいなので、これをまとめて除去この場所もトラクターをかけてきれいにします。



草刈り前
草刈り後

左側の草が一段高くなっている所は僕の腰ほどまでに伸びていました。古木を取り除き、草刈りをしたあとは右の写真ですが、ずいぶんとスッキリしていると思います。右の写真の左側に土が見えていて、そこは既にトラクターをかけた後の部分ですが、ここも同じようにトラクターをかけます。

直ぐに使える畑を借りた場合であれば、この様なよけいな作業というのは当然のようにありません。しかし耕作放棄地は何かしら理由があるがゆえに耕作放棄地となった場所です。この程度なら運が良かったと思っています。ただ、この後の作業として回収した古木を撤去しなければいけません。

このタイミングで丁度、借家の入り口を広げる土木工事もしているのですが、その方が一緒に撤去してくれると言ってくれたので非常に助かりました。入り口近くには植木がたくさんあるのですが、それらを伐採しないと広げることができません。なので伐採をした植木と一緒に処理をしてくれるという話になりました。

草刈りを終えて思うこと

借家の庭

「やらないで済むのなら、やらない方が良いな。」率直にそう思います。耕作放棄地を借りると一言に言っても、その耕作放棄地は様々です。直ぐに使える畑、直ぐには使えないけど、簡単な作業で使えるようになる畑。時間のかかる畑。そんないろいろな耕作放棄地を見て実際に借りて思ったことは「結局のところ本人のやる気だな。」という答えです。

僕がこの場所を選んだのは、「何もなく不便」という理由です。不便な所を選んだんだから何があってもおかしくは無いです。むしろそういうのを開拓する楽しみというものに僕自身は価値を感じています。面倒だからやらないのなら、進んでやるという料理人時代に培った考えからなのかもしれません。

そして、地域の農政課さん、農業委員会の担当者さん、そして耕作放棄地の貸主さん。色々な人と関わり合って何度も話をして「ここだったらやれる!」そう思ったからこそ、この市貝町市塙を選びました。

畑の貸主のご夫婦はとなり町に住んでいるので、生活圏のなかでこの市塙を車で通ったりします。その際に畑の近くを通ることがあるみたいで、通ったときには「草刈りしてきれいにしてくれてありがとうございます。」というようなメールをくれます。僕の方も何かあるごとに連絡を入れています。

こういう関係性があるからこそ「ここでやろう!」と思えるし「借りたんだからちゃんとやろう!」そう思えます。

古木の撤去が終わったらトラクターをかけてきれいにしたり、母屋の近くのもう一つの畑の草刈りなど、まだまだやることはいっぱいあります。お店のある神楽坂、畑のある市貝町。自分のペースできちんと管理をして行きます。

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