栃木県芳賀郡市貝町を拠点に畑を借り生姜の栽培を始めました。実は畑を借りるときに同時に近所の田んぼも借りました。お米を育てる訳でなく畑として野菜を育てることを前提に借りました。しかし、田んぼというのは水が入る4月下旬頃にはかなりのぐちょぐちょになってしまいます。さらに雨などが降っても水が引きません。そもそも田んぼは水をためて使用する物なので当然のことなのです。そして野菜は水がたまり水はけが悪いと育ちません。それを承知で借りたのには理由があります。
「田んぼの土質を畑の土質に土壌改良をして使う」ということをしたくて借りました。
実際にどうやって行うか、その考え方と過程、そして結果を随時更新をして行きたいと思います。
上の写真は畑ではなく田んぼです。田んぼに水が入るのは4月下旬頃からですが、その前に撮影をしたもので雑草が一面を覆っています。耕作放棄地だった所なので荒れ放題の伸び放題です。
田んぼは水をためて稲作をする場所。水がたまるように土質は粘土質。雨が降ったり、田んぼの水張りの時期になると自然に土がぐちゃぐちゃになってしまいます。
写真のときは雨が降って数日後なのですがくるぶしは完全に完全に隠れてしまうくらいに土がぬかるんでいました。
さて、どーするかな? この田んぼ・・・
田んぼは「灌漑」という水を調整できる仕組みを持ったことから始まります。
それと同時に「水をためる」という技術が必要になりますが、その大きなポイントとなるのが「粘土質の土」です。
田んぼの土は、実は二層になっています。上部の10~15cmは「作土層(さくどそう)」、次の数cmが「鋤床層(すきどこそう)」。「作土層」は稲を育てるために耕された層ですが、「鋤床層」は水を通しにくい粘土層です。
分かりやすく断面図を作りました。
この田んぼの2層構造は「代掻き(しろかき)」という、田んぼに水を入れた状態で土の塊を細かく砕いて丁寧にかき混ぜ、土を柔らかくして、表面を平らにする作業によって作られます。田んぼの時期に、土に手を加えるのは、上の作土層のみです。粘土質の鋤床層は何もしません。なので、毎年毎年、稲を育てることを繰り返すことで、粘土層のがしっかりと固められることで水を溜める機能が高まります。
あと、田んぼを囲む小さな土手のような壁のようなものを「畦(あぜ)」と言います。この場所にも粘土質の土が塗られています。畦を土で塗り固めていく「畦塗り」という作業が田植えの前になると始まりますが、これを見かけると「田植えが始まるんだな。」と思います。そして、この畦塗りは水漏れを防ぐための大切な作業なんです。
でも、この粘土質な土が野菜にとっては適さない土質なんです!
では、自分の田んぼの土質というのはどうなっているのかが気になりますよね。それを調べられるサイトがあります。
日本土壌インベントリーというサイトを使うと、自分の畑や田んぼの土がどのような性質を持っているのかを確認することができます。
細かい住所も入れることが出来ます。僕は右の地図で自分の田んぼの部分をクリックしたら、左画面のようにポップアップで表示されます。借りている田んぼは細粒質普通低地水田土と表示されています。クリックすると説明のページにリンクします。
「低地水田土」
元々地下水の影響が無いか弱いところに水田を作ったため、鉄集積層が出来たり、灰色化した特徴的な断面をもつようになった低地の土壌。
引用:日本土壌インベントリー
説明ページにいは写真付きで色々と書いてあります。
日本土壌インベントリーでは様々な土壌に関する情報が分かるのですが、正直な話し難しい専門用語などが多すぎて専門家しか理解できないようなことも非常に多いということです。この中で自分の田んぼに関する情報を見つけるのは非常に困難だと感じましたが、ひとつ非常に参考になるページを見つけました。
ホームページトップの上にあるタブの中の「土壌図」をクックして右側にある検索窓から自分の田んぼや畑の住所を入れ検索をかけます。そうするとポップアップで以下のように表示されます。
最初にアップした2画面の画像の左側と非常によく似ています。細粒質普通低地水田土の文字もあります。このポップアップで注目したのは一番下の「土壌改良対策」です。なぜなら、僕は地図に表示した場所の田んぼの土壌改良をして畑にしたいからです。何をすれば良いのかヒントが欲しいんです。
土壌改良対策をクリックするとPDFが表示されます。一部を切り抜きました。
再度、検索をかけたページのポップアップを見てみます。「細粒質普通低地水田土」とあり、クリックすると「低地水田土」のページに移動するのは先に説明をしましたが、この移動したページでは「低地水田土」について説明をしていますが「細粒質」に関しては説明がりません。その説明が今回は書いてあります。しかもその対策についてです。
借りた田んぼに対する土壌改良にたいする対策法として以下を推奨しています。
とても的確になってきました。「その他」部分では「酸性矯正」とあります。これは現状が酸性よりなのでアルカリ性に変えて行きましょうということです。
これらの情報からやるべきことが分かったぞ!
「緑肥(りょくひ)」とはいうのは名前の通り、植物そのものを肥料の一種として利用することをいいます。緑肥作物に使われるのは主にイネ科やマメ科の植物が使われます。
植物なのですが田んぼに種をまいて成長をさせます。雑草のように思われるかもしれませんがそうではありません。成長した植物を腐らせず青々として伸びているときに土壌に入れて耕し、そのまま肥料にすることです。この緑肥ですが、排水改善や土壌改善などに使える品種があり、今回はこれに当たります。なぜなら緑肥の品種の中には根を2メートルほど伸ばすものがあります。この性質を利用して「粘土層に穴を開ける」ことにつなげます。
なぜ、粘土層に穴をあけるかというと、先に説明をしたように粘土層があることで水がたまってしまう土壌になっています。その粘土層を壊すことで水がたまりにくくなるという考えからです。
今回のように土壌改善用に良く使われる品種が、長く根を張るマメ科の緑肥でもあるセスバニア です。
緑肥はこの5月のゴールデンウィーク辺りで撒こうと計画をしています。そのため生姜の定植が終わった後に借りた田んぼの草刈りきでの除草、トラクターで耕運をしました。耕運はもう一度行い、雑草を土にすき込みます。4月24日の現状は以下の写真のようです。
ここに、まずはこの春~夏にかけて緑肥を撒いて育てます。7月~8月に緑肥をすき込みます。この時期には1mを超えて伸びているそうです。強い根が粘土質土壌を壊してくれていると思います。ロータリーで砕き耕運をしたらプラソイラで60cmの深さから天地をひっくり返すようにします。
緑肥で穴のあけられた粘土層をプラソイラを深く土に入れトラクターで耕運をすることで非常に荒く天地がひっくり返ります。団粒構造の土壌にして行きます。こうすることで土の中に酸素が入りやすくなります。酸素を入れる理由は「もみ殻ぼかし」を加えたときに微生物の活動しやすい環境を作ることです。さらに、もみ殻を畑にまくということは土壌の排水性改善に効果があると言われています。団粒構造に関しては以前ブログに書いたのでリンクをしておきます。
もみ殻ぼかしを入れてプラソイラをかけることで、土壌改良に対する対策の「深耕(客土)」と「有機物施用」の2つが出来ていることになります。ここに「土壌資材施用」をします。いつも使用をしている「天然ミネラル鉱石」を加えプラソイラを何度も何度もかけてあげます。天然ミネラル鉱石は土壌pHを調整してくれます。酸性土壌をアルカリ性土壌に向かわせてくれます。天然ミネラル鉱石にに関しては以前のブログをリンクしておきます。
このような対策を調べていて、あることが頭に浮かびました。
あっ!いつもやっている僕の農法「玄米アミノ酸微生物農法」と同じだ!
ここまで、この数日で調べ考えたことをブログに書いてみましたが、時間がかかることだと思いました。でも、性質の全く違う土壌を別の土壌にするわけですから時間も労力もかかります。けど、それは畑にとって非常に大切なことになります。
野菜を植えても雨が降るたびに水がたまってしまい、野菜が・・・全滅・・・。
こうなってはダメなわけです。プロでは無いです。
なぜそうなのか?なぜこうするのか?そういう理論的な部分をしっかり調べ考え対策をするから、大きな失敗は無くなります。料理をしていたときと変わりません。コツコツとやるしかない場面がこの土壌改良なんだなと。