神楽坂で2011年にスコティッユパブ「ザ・ロイヤルスコッツマン」を開業しながら、2021年より無農薬農業を始め、食を通じての体験や考えをまとめたブログです。食育インストラクターでもありオーガニックの普及に努める。国内では珍しいスコットランドの民族楽器バグパイプ奏者で全国のビールやウイスキーのイベントでの演奏も行っています

ゆで卵を作るときに入れる「塩」と「酢」の科学


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たまごは温度で様々な変化をする

今回はゆで卵を作るときに入れる「塩」と「酢」について実験をしてみました。
たまごには様々な料理があります。ゆで卵、このゆで卵にも半熟卵、温泉卵、固ゆで卵など、そしてオムレツ、ポーチドエッグ。
生のままご飯と一緒にということもあるほどバリエーションが非常に豊か食材です。

生のときはドロドロしていて、半熟だと黄身はトロリとし、固ゆででボソボソ。
熱を加えることで姿かたちだけでなく食感も大きく変わるのがたまごの特徴です。

たまごは白身と黄身で固まる温度が違う

たまごは身近な化学です。火加減で様々な変化ををしながら凝固することついては、少し複雑です。
固まる温度帯を先に述べておきます。

黄身:65~70℃
白身:75~78℃

ただし、卵白は2種類の凝固温度が存在します。まずはタマゴのそれぞれの主成分の理解が必要になります。

(1)卵黄の凝固温

卵黄は上記に記載した通り 65~70℃で凝固します。

(2)卵白の凝固温度

白身は卵白アルブミンというタンパク質が主成分です。
卵白アルブミンを凝固させるためには、75~78℃(以上)の温度が必要です。
この温度帯では卵黄たんぱく質も完全に凝固するので、結果たまごは固ゆでになります。

卵を60~65℃くらいの温度で保持をすると、この時点で卵白アルブミンは凝固しないのですが、卵白に含まれるトランスフェリンというタンパク質が凝固をはじめます。このとき卵白は一部分がゆるくゲル状態になります。そして、この状態ではまだ卵黄は固まりません。ここからさらに温度をあげ、65度~70度の間で保持すると卵黄が凝固しはじめます。これが温泉卵の状態です。

しかし、この65~70℃の状態ではまだ卵白アルブミンは凝固していません。しかし上に書いたように75~78℃以上、つまり80℃近い温になると固ゆで状態になります。

このように卵白には固まる温度帯が2種類あるということです。

科学(1):塩を入れる

ゆでたまごを作るとき、お湯に塩を入れる場面を見たり聞いたりすることがあると思います
なぜ塩を入れるか? 答えは「塩にはタンパク質を固まらせる作用がある」からです。タンパク質は熱だけでなく、塩で構造が変化するという性質があります。なので塩を入れることで、卵がお湯の中でヒビが入って割れても中身が飛び出しにくいという働きがあります。



科学(2):酢を入れる

お酢にもタンパク質を固める作用があります。 塩と同様に白身を早く固めるのという働きで、お湯の中で卵白が散らばらずにまとまるので形が整います。

水1Lに対してお酢大さじ2杯(約3%)。 お湯だけの場合は、たまごがお湯の中に広がってしまうので形が整いにくくなります。

この働きを利用してポーチドエッグは作られます。卵白は固まっているのに卵黄は半熟状態のポーチドエッグ。一体どうやって作るのか?
それは、お酢の入ったお湯にたまごを入れるとお酢の力で卵白が卵黄を覆うようにまとまります。外側にある卵白には火が入って固まります。卵白が固まった状態でお湯から取り出し氷水に入れる冷やすことで卵白がしっかり固まり卵黄は半熟状態のポーチドエッグが完成します。

何気なく作っている料理でも科学によって理解できることが非常に多いです。

エッグベネディクト

たまごはどんな食材?

たまごの構造は、大まかに卵殻(卵殻膜)、卵白、卵黄の3つからなります。そしてそれらの割合は約1:6:3です。

【完全栄養食材】とも言われますが、その理由はヒヨコが成長するために必要な栄養成分が含まれているからです。

更にアミノ酸のバランスを数値化したアミノ酸スコア」という数値に関しては、たまごは100点満点これらのことだけでも、たまごには体に良いということが想像できると思います。
さらに、たまごは肉類に比べ脂肪分も少なく、効率よくタンパク質を摂れる食材なのです。
たまごのタンパク質に含まれる必須アミノ酸は、体への吸収力が早く、疲労回復や筋肉の再生・強化をサポートしてくれるので、運動をしている人にとってはありがたい存在です。

YouTubeで実験をしました

YouYube ともチャンネルより

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