神楽坂で2011年にスコティッユパブ「ザ・ロイヤルスコッツマン」を開業しながら、2021年より無農薬農業を始め、食を通じての体験や考えをまとめたブログです。食育インストラクターでもありオーガニックの普及に努める。国内では珍しいスコットランドの民族楽器バグパイプ奏者で全国のビールやウイスキーのイベントでの演奏も行っています

乳酸菌もみ殻ぼかし


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僕の行う農法「玄米アミノ酸微生物農法」で主たる肥料は、タイトルにもある「乳酸菌もみ殻ぼかし」です。もみ殻と米ぬかをメインにアミノ酸酵素液を加え約1ヶ月間の発酵を行い土にすき込んで使用します。そもそもなのですが、この乳酸菌もみ殻ぼかしが本命とも言うべきものです。

乳酸菌もみ殻ぼかしとは

発酵中の乳酸菌もみ殻ぼかし

農業を始めた2021年、何も分からずにこの「乳酸菌もみ殻ぼかし」を作成しました。料理人だちうこともあり発酵やイメージが比較的簡単に付いたことが僕にとっては非常に好都合でした。

「乳酸菌もみがらぼかし」は高品質なぼかしで失敗なく誰にでも作れる。25~30日で完全分解して完成する。好気性のもみがら分解は過去に例がない。基肥として使用でき、これ以外に基肥の必要はない。また土壌改良剤としても優れた効果がみられる。短期間で土壌が改良できる。

引用元:玄米アミノ酸微生物農法

このように僕の師匠のオンラインショップに記載があります。実際に土作りの段階から、この乳酸菌もみ殻ぼかしを多用しています。稲刈りのシーズンが来たらもみ殻と米ぬか集めに走ります。

乳酸菌と農業

乳酸菌:ヨーグルト

ここで表現される乳酸菌とは「微生物」のことをいいます。そもそも乳酸菌とは「糖を発酵して乳酸を作る菌の総称」を言います。チーズやヨーグルト、日本辞任はなじみの深い漬物には乳酸菌があって体に良い。というようなイメージがあると思います。人体にとって非常に良く作用する乳酸菌は農業にとっても非常に大切な微生物です。

乳酸菌は土壌の改良や病気を制御したり、植物の成長を促進する目的で、昔から微生物を取り入れた資材として活用され続けています。

その効果としては以下のようなものがあります。

  • 収穫量の改善、野菜や果物の旨味や糖度の改善、コメの甘味を増進。
  • 乳酸菌が生成する乳酸によって土壌の病害菌が抑えられる。
  • 土壌の通気性の改善
  • 肥料の溶解度の増加
  • 植物の成長、種子の発芽を促進

このように非常に農業にとってうれしい効果を乳酸菌はもたらしてくれます。

「ぼかし」とは

「乳酸菌もみ殻ぼかし」、乳酸菌も分かるし、もみ殻も分かる。では「ぼかし」とは何を意味するのか?



「ぼかし」というのは「ぼかし肥料」のことで、僕が作っている米ぬかやもみ殻を使用する以外にも、油かす、鶏糞などの有機質肥料を主な原料としていて、それらを微生物により分解、発酵させてつくる肥料のことを言います。

ぼかしには明確な定義がありません。さらに使う原料にも特別な規定はありません。化学肥料とは違い、含まれる成分も一定ではありません。しかし、原料が多種多様に使われるので、種類や量によって、作用の仕方や効果などを結果を見たうえで調節可能という特徴もあります。

僕はもみ殻ぼかしと聞いて「ぼかし」とは何なんだ?と思い調べました。ぼかしは土に混ぜて使う肥料ですが、使用前に土と混ぜて微生物による分解・発酵を行い、急速な分解や肥効を「ぼかす=薄くする」ことを行います。ぼかし肥料の「ぼかし」は言葉自体の「あいまいにする、薄くする」という意味から付けられたそうです。

乳酸菌もみ殻ぼかしの作り方

乳酸菌もみ殻ぼかし

僕の行う「玄米アミノ酸微生物農法」で使用するぼかしは「乳酸菌もみ殻ぼかし」です。材料は以下の通り

  • もみ殻
  • 米ぬか
  • 玄米アミノ酸酵素液
  • 玄米アミノ酸酵素粒体

以上です。もみ殻はライスセンターで無料で頂き、米ぬかは自動精米所やお米屋さんで。玄米アミノ酸酵素液と粒体は師匠が開発をした資材なのでオンラインショップで購入します。僕は1回の仕込みを400kgにしています。なので、もみ殻200kg+米ぬか200kgで仕込んでいます。この量に対いて水分が200kgほど使用するので重くなり重労働ですが、回数をこなしているので4時間はかからないで仕上げています。機械を使えばもっと早く簡単になるので、畑も拡張したしそろそろ機械の導入を考えています。以下に僕の作り方の工程を書いておきます。

作り方1:材料を計量して分けて置いておく

一気に400kgを作ろうと思うと、まず重すぎて疲れます。そして良く混ざらないので発酵にも良くありません。なので100kg単位の4つに全ての材料を分けます。

料理のときの準備の仕方が非常に役に立ちました。全てを計量して仕込みごとのブロックに分けて置く。計量は全て終わらせておくことで、量って、混ぜてを何度も何度も繰り返さなくて済みます。効率よく流れを止めないようにするためです。

もみ殻と米ぬか
使うものを分けて置いておく
もみ殻ぼかし仕込み場所

作り方2:水分を加えながら材料を混ぜて山にする

もみ殻と米ぬか、菌体を混ぜておく
玄米アミノ酸酵素菌体

もみ殻と米ぬかを混ぜるときも重量比率は1:1なので交互に重ねて行きます。その方が均一されやすいです。そこに玄米アミノ酸酵素菌体を加え混ぜます。必要水分量に玄米アミノ酸酵素液を加え、混ぜたもみ殻に均一になるようにジョウロで加え、そのつど上下を返すように混ぜて行きます。上の写真では山が2つありますが、奥のものは100kg混ぜ終わったものです。空気が入るように暗渠パイプというものを差し込んでいます。そして手前では新しい100kgのもみ殻ぼかしを混ぜて、混ぜ終わったら奥の山に重ねるという作業を4回繰り返し400kgを作って行きます。

ここで気にしていることは、やはり均一ということです。そのために、もみ殻と米ぬかを交互に広げて混ぜやすくしたりしています。水分量なども含め発酵に影響が出てくるので1回1回全体の確認を忘れないようにします。

途中で入れる暗渠パイプも大切です。微生物が発酵をするのに酸素が必要です。400kgの山なので中の方には空気が入りにくくなっています。なので中心部にも空気が入り微生物が樽俎を取り入れられるように穴の開いた暗渠パイプを入れ微生物の活動が活発になるように促します。

作り方3:ときどき攪拌をして発酵させながら約1カ月

400kgのもみ殻ぼかし
温度と湿度を完成まで記録

400kgの乳酸菌もみ殻ぼかしが出来たら、もみ殻ぼかし自体に温度計を数か所差し込んでおきます。1週間くらいで温度がしっかり上がってきて最高で60℃くらいまで上昇をします。温度が低すぎると発酵がされないので温度管理は大切です。そのために小屋内に数か所、温度計と湿度計を置いておきます。市貝に行くたびに記録をします。

攪拌をするときは温度が上昇しているので湯気が出るくらいにまでなっています。このときの攪拌作業は熱さと湿度で一苦労します。これも機械があると簡素化されます。

このブログでも今後、どのように変わっていくのかを報告して行きます。

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